哈密三道嶺の朝。中国の西の果てを駆ける蒸気機関車を、やっと昇った朝陽が照らした。気温-15℃のなか吐き出される水蒸気は、白いキャンバスのように、背後の空の色を一層鮮やかに描き出す。

2015年の暮れ、乾燥した気候の三道嶺では、毎日美しい朝陽と夕陽に恵まれた。実は画面の右下辺りに自動車が止められていて(恐らく中国人の撮り鉄が乗り付けたもの)私の立ち位置からだと非常に邪魔だったのだが、煙で上手いこと隠れてしまい、それと言わなければ殆ど気がつかないのではないかと思う。次のページの写真も同じ日に撮影したものだが、本当にこの日は天気と煙、そして諸々の運に恵まれた日だった。

(2015年12月29日 中国新疆ウイグル自治区哈密三道嶺にて)


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