前日の暴風雨が、空気中の塵を洗い流してくれた。ズリ捨て山に登れば、遠くの街や山の稜線までくっきりと望むことができる。そんな絶好の条件の中、赤プレートが目印のSY1396が足取りも軽く山を下ってきた。美しい、ただそう思った。

2016年5月、私は近く蒸汽の撤退または規模縮小が噂される阜新を訪れていた。5月1日にも同じズリ捨て山から撮影していたが、曇天と煤塵でまったく見通しが聞かずに悔しい思いをした。4日の午前、最後の可能性に賭けてもう一度ズリ捨て山に登った。結果はご覧の通りである。もはや悔いはない。ありがとう、阜新。

(2016年5月4日 中国遼寧省阜新 阜新煤砿にて)


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